学術研究においてデータ駆動型の研究が広がり、研究データの重要性は増している。同時に、学術研究のグローバル化や組織を跨った協働研究が進展している。そのため、地理的に離れた複数の研究者が互いにデータを共有・管理し、多種多様かつ大規模・大容量なデータを容易に扱い、学術研究を遂行することができるデータ集約・管理技術の必要性が高まっている。

また、研究不正の防止や研究成果の信頼性向上の観点から、学術研究の再現性の重要性が増している。国内外の大学や研究機関において、公正な研究活動の推進に向けて、研究活動に伴い作成・取得した研究データの保存期間および管理方法等についての基準を定めたガイドラインの策定が進められている状況にある。様々な学会においても論文採択の1つの指標として再現性を挙げるものが増えている。

これらを受け、国立情報学研究所(NII)では研究データ管理基盤「GakuNin RDM」やデータ公開基盤「WEKO3」を開発し、全学に向けたサービスの提供を開始している.研究データの共有や公開を促進する基盤の提供が進んでいる一方,再現性に関する取り組みや,多くの研究データを生成しまた活用する計算機センターとの連携については不十分な状況である。

本研究グループでは、計算機センターにおいて生成される研究データの再現性を高め、また計算機センターに蓄積される研究データと計算機センターが保有する計算機資源を活用したデータ駆動型研究を促進する、データ集約・管理技術の研究開発を推進する。